役員の給与について

2013/12/17

税務TOPIX

役員に対する給与は、1か月以下の一定の時期に支給される各支給時期の支給額が同額の給与(定期同額給与)以外は損金に算入されません。また、役員は株主総会で選任され、経営を委任される関係から、その報酬は株主総会で決定されます。したがって年1回の定時株主総会で1年間の報酬額が決まり、原則として、期中の増減は認められないことになります。

 

(例1)役員給与の範囲

 A社のB社長は、毎年秋に5日間の人間ドックに入り、体調のチェックをしています。この人間ドックの費用については、その費用のうち一部(10万円)を会社が補助しています。会社はこの補助分10万円を福利厚生費として処理しています。なお、人間ドックの費用を会社が負担しているのは、B社長のみであり、他の役員や社員については全額自己負担となっています。

(解説)

 社長の健康は会社にとって大変重要です。しかしながら、社長だけ特別扱いはできませんので、これは社長に対する個人的な支出となります。もし費用として処理したいならば①全社員一律の制度社会通念上相当な金額会社から直接医療機関へ支払うという条件が必要です。 

 

 

(例2)役員に対する歩合給支給

 A社のB専務取締役(営業担当)は、専務でありながら自らが営業活動も行っています。A社では、営業社員が新規契約を獲得した場合、歩合給としてその成約額の3%相当額を支給することを定めていますが、B専務に対しても、一般の営業社員と同一の基準で歩合給を支給しています。A社は、このB専務に対して支給した歩合給を損金として処理しています。

(解説)

 B専務に対して支給された歩合給は、毎月一定額ではありませんので定期同額給与には該当しませんので、歩合給部分についての損金算入は認められません。

 

(例3)減額改定後の増額改定

 A社(3月決算)は毎月100万円の役員給与を支給していましたが、8月初めに大口得意先との契約が打ち切られたため売上高が激減し、このままでは倒産の危機に至る状態となりました。そこでやむなく、8月支給から役員給与を50万円に減額することにしました。ところがその後、新製品の開発が功を奏し、新規の大口得意先が数社獲得できるようになり、12月ごろから業績が急激に回復することになりました。そこで、1月支給から役員給与を月80万円に増額しています。

(解説)

 定期同額給与において、経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(業績悪化改定事由)による減額が認められていますので、8月の減額改定はやむを得ないと思われますが、1月の増額改定は認められません。したがって50万円から80万円の差額30万円の3カ月分は損金不算入となります。

 

STAFFコラム

そろそろ梅雨も明け、厳しい暑さがやってきます。外出先から帰り冷房のきいた部屋に入ると、体温を下げようと働いていた自律神経が驚き、その繰り返しで夏バテになるといわれています。夏バテ解消法で有効なのは、ビタミン、クエン酸です。

土用丑の日に鰻を食べるようになったのは、江戸時代の蘭学者平賀源内の発案との通説が主ですが、鰻屋から夏でも鰻が売れるにはどうしたらいいかと相談された源内は、「本日丑の日」との張り紙をすることをすすめ、それが功を奏したか、店が繁盛したとのこと。

 実際、鰻はビタミンAが豊富であり、夏バテ解消にはいい食材といえます。ところが鰻の稚魚が今年も不漁のため、昨年同様、鰻の価格の値上がりが続きそうです。悲しいかな、お手軽に鰻を食せない日がくるやもしれません。

ビタミン豊富といえば豚肉もそうです。疲労回復にいいクエン酸を含んだ梅干しを

細かくし、豚肉の生姜焼きに混ぜ合わせるとさっぱりとした風味になります。 

夏の暑い日にいかがでしょうか。